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第6章 忠実

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第6章 忠実(抜粋)

忠実な心は信頼を生みだし、信頼を確かなものにする。しかし、相手が他の人との関係を優先させ、ふたりの間の誓約を破るなら、それは不誠実だと責めたくなる。最も悪質なのは、忠実が性的要因により破られる場合である。情事は悪質であり、異性との戯れや妄想(ポルノなど)へののめりこみも、亀裂や苦痛の原因になる。特に、それが秘密裏に行なわれると始末が悪い。

その他にも忠実が試されるケースがある。たとえば、相手は自分のいないところでも自分のことを良く言っていると信じていたのに、そうでない場合である。私たちのいた最初の教会でリンダ・ディローの著書「創造的夫婦」を使って話し合う婦人会があった。ところが、その数週間後、夫たちが私のところに来て訴えた。
 「あの婦人会はただのおしゃべりの会になっている」
 「自分たちの汚れた洗濯物が、教会中につるされているようだ」
 「彼女たちは、夫への不満をぶちまけているだけだ」
 「おちおちしていられない」
というものだった。私の妻もその婦人会に何回か出ていて、男性の心配はもっともだと教えてくれた。秘密はもれ、欠点は批判にさらされ、話は次々と伝わった。それは善意から始まった会だったとは言え、夫をつるしあげる会になっていた。結局、基本原則をはっきりさせ、もっと正しい方向に進めようということで、この有意義な努力は誠実で尊敬に値するものに変えられた。

夫たちは口々に言い合った。「彼女たちは忠実でない。男なら町中にごみをまき散らしたりしない」一般に、男性は細かいことを言わない。妻に対しておおまかにレッテルを貼ってけなすのが普通である。「古女房が今夜は出かけちゃいけないと言っている」とか、「ボスがベビーシッターをしろと言っている」とか、「今月も刃物や重いものを隠すときがきたか」のたぐいである。このような軽口は友人同士のストレス解消にはもってこいで、女性同士の愚痴の言いあいと似たりよったりだが、しかし、これらも決して忠実な心から出た表現とは言えない。女性のほうにしてみれば、「あなたは私の味方と思っていたけど、私は魔女でやっかいなお荷物で、漫画に出てくるなげかわしい主人公にされていたのね」ということになる。



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by unshakablemarriag | 2013-10-13 16:22 | 6 忠実