揺るぎない結婚


by unshakablemarriag

揺るぎない結婚

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揺るぎない結婚
キース・ポッター著/田代駿二訳
出版社 あめんどう
四六判320頁 定価1500円+消費税
アマゾン から送料無料で購入可

本書「揺るぎない結婚(原題 Unshakable)」によれば、アメリカ人男性の80%は思考人間である。思考人間は感情をあまり信用せず、研究や経験、権威の発言にもとづく論理的思考を感情より優先させる。もちろん、思考人間にも感情はある。しかし、感情の権威は低い。多くの男性は人間関係を計る際、メンテナンスが容易なほど高いレベルの人間関係と見なす。男性にとって親友とは「自分をそのまま受け入れてくれ、一年間会わなくても、会ったら前のようにつき合ってくれる人」である。言い換えれば、男性はローリスク・ハイリターンの関係を高く評価する。その結果、男性は親密なつき合いにより情報を得るのが苦手である。親友と一日中ゴルフをして何の情報も得ずに家に帰ることができるのはそのためである。男性が親しみを感じるのは、情報を分かち合うときよりも経験を共にするときである。

一方、アメリカ人女性の80%は感情人間である。感情人間は豊かな感性を持ち、心に感じたことを論理的思考より優先させる。もちろん感情人間は知能が劣るわけではないが、感情が行動や気分を強力に支配するため、情緒的反応に陥りやすい。女性の良い面は、自分の感情をしまっておかないで吐き出してしまえば、それで実際に問題が処理できることである。ただ聞いてもらうだけで解決するケースも多い。多くの女性は個人的な感情や細やかなことに関心を抱き、個人的な情報に興味を持つ。女性は、人間関係の維持のために、精度の高い信号計測器を駆使して定期的なメンテナンスと桁はずれの投資、そして鋭い注意を怠らない。これらは女性の人間関係構築の基本であり、気配りを怠れば破綻する。

その結果、男女間には常にすれ違いが潜在することになる。複雑な案件に対して、男性は論理的解決を模索し、女性は感情的に自分の気持を話して同情を買おうとする。女性はよく、「彼は聞いてくれない」とか「彼は解決だけに気をとられて無神経!」と不満をもらす。一方、男性は、「彼女は理屈や常識的な解決には耳を貸さず、感情にどっぷり浸かっている」と言っていらだつ。

おもしろいことに、人間は異なる性格の異性に惹かれることが多い。したがって、思考人間の男性と感情人間の女性が結ばれ、感情人間の男性と思考人間の女性が結ばれることが多い。その結果、ほとんど全部のカップルがすれ違いを味わうことになる。

おそらく日本人の場合も、アメリカ人と同様に、男性は情報を分かち合うときよりも経験を共にするときに友情を感じるであろう。そのため、言わなくてもわかってもらえると勝手に思い込みやすい。まして、日本人のコミュニケーション能力はかなり貧しいから、“ありがとう”とは心で思うもので、わざわざ口で言うことではないとさえ信じている。ところが、女性は個人的な感情や細やかなことに関心を抱き、個人的な情報に興味を持つから、当然、夫にも強い関心と頻繁な情報の交換を期待する。これでは、すれ違いが蔓延するのは当然であろう。

これを読んだ日本人男性の多くは、「この本は危険思想だから読まない。それどころか、妻にも絶対読ませたくない」と思うかもしれない。しかし、もし、この本を結婚記念日か奥様の誕生日かにプレゼントできたら、すれ違いの夫婦から触れ合いの夫婦への記念すべき第1歩となるに違いない。

もうひとつ、思考人間と感情人間のすれ違いは、男女間にだけ起こるわけではない。男同士でも、どうも話が合わないという場合には、思考人間と感情人間のすれ違いを疑ってみる必要がある。人間研究の一環からも、興味深い1冊と言えよう。


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by unshakablemarriag | 2013-10-20 15:11 | 揺るぎない結婚