第7章 笑い

←目次へ戻る


第7章 笑い(抜粋)

妻が乳がんにかかったころのことを思い出す。彼女がこれから耐えていかねばならない苦しみや、家族を襲う恐怖を思って、私は震えた。ところが、笑いがきたのである。笑い?そう、妻は驚くばかりのユーモアで、不安の陰りをみじんも見せずに乳がんと戦った。ケーブルテレビで、お気に入りのホームコメディ番組を申しこみ、それを見て大笑いした。そのショーのなかの爆笑場面は、家族の日常会話のなかに根づくまでになった。笑いが私たちを救ったのである。病めるときも健やかなるときも、私は楽しい人間でありたい。これは妻が私と結婚した理由の一つにもなった。

「あれはオトリ商法だった」とでも言いたげな話をする女性は多い。「彼は、デート時代はとてもおもしろい人だったのに、今はソファに座ってテレビばかり見ている。私に求愛し、私の心をとらえたころの彼は、今どこにいるの?」

同じようなことを、不倫の経験を持つ男性から聞く。結婚後15~25年たつ男性に多い。私は、そういう男性は、若い女性とセックスをしたいだけだと思っていた。若ければ、引きしまった身体と輝く肌を持っているからである。ところが、そういう男性の言い分は違っていた。「若い女性は楽しい。妻はどこかにそれを置いてきてしまったらしい。若い女性といるほうが楽しいと思わないか」 私は、「分かった。しかし、そうは言っても不倫を正当化できるわけではない」とすぐに反論する。確かに正当化はできない。しかし、彼らの話を聞いて、笑いやおおらかさ、遊び心を失った人間関係のむなしさは理解できる。彼らには、速やかに正しい結婚生活に戻るように勧めるが、私は彼らに同情できないほど傲慢なわけではない。楽しさを失った家庭はわびしい。そして、わびしい人生を送る人は、しばしば悪い選択をする。

笑いは、身の周りに起こるほんのちょっとしたことからも生まれる。ほとんどのことは笑いの対象になる。人生を笑い飛ばす訓練をしよう。互いに笑い続けよう。からかい、つつき、冗談を言い、戯れよう。若いときに運動を続けて若さを保ったのと同じ熱心さで、子どものような純真さを保とう。若さは取り戻せなくても、純真さは取り戻せるはずだ。



←目次へ戻る>・・・←第6章 忠実 へ戻る・・・第8章 正直 へ→
[PR]
by unshakablemarriag | 2013-10-12 16:22 | 7 笑い